誕生日やクリスマス、ご褒美でおもちゃがもらえる時などは、いつでもシルバニアファミリーを買ってもらっていました。
うさぎやねこやリスなど、色々な種類のお人形を選んだり、その子たちの洋服を変えてあげたり、トイレやピアノなど家具を揃えたり、夢中になって遊びました。
特に気に入っていたのは、誕生日にもらったシルバニアファミリー用の二階建てのおうちです。
木で出来ていて、赤い屋根で、階段で二階までお人形たちが上がれるようになっているものでした。おうちにはたくさんの窓もついており、開け閉めまでできる精巧なものです。
木製なので、移動させるのは子供にとっては重くて大変なのですが、それでもこの素敵なおうちが大好きでした。
そんなある日、おもちゃ屋さんでシルバニアファミリーのコーナーを見ていた時、ふと、自分の持っているおうち以外にどんなおうちがあるのか気になり見に行きました。
いくつかおうちがあったのですが、どれも自分が持っているものとは違います。形も違うのですが、それらのおうちはすべてプラスチック製だったのです。
私が持っているおうちはどこで買ったのだろうと気になり、そばにいた母に聞いてみました。
すると、あのおうちは父が作ったというのです。
その頃私の父は出張が多く、週末しか会えない状態でした。
私がシルバニアファミリーに夢中になっているのを知って、私の誕生日に間に合うように作ってくれたというのです。
そのことを知ってから、もっとこのおうちが好きになりました。
私が結婚して家を離れた今でも、このおうちは大切に飾ってあります。